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独占禁止法との戦いがGAFAのキモになりそうです

投資

GAFAの一角、Facebookが反トラスト法違反の疑いによる訴訟を乗り越えました。企業買収によって市場の競争原理を阻害してきたとして訴えられましたが、今回は原告側の請求を棄却した模様です。

米巨大IT規制、難路に Facebook訴訟で「門前払い」 - 日本経済新聞
反トラスト法(独占禁止法)を活用して米巨大IT(情報技術)企業の独走に歯止めをかける動きが難路に直面している。米首都ワシントンの連邦地裁が28日、米連邦取引委員会(FTC)などがフェイスブックを訴えた訴訟で、原告側の主張の多くを退ける判断を下した。現行法の限界が明らかになり、法改正の議論が加速する可...

おまけに、株式市場は好感を持って反応してしまいました。上昇するとは…。笑

プラットフォーマー企業

Amazon、Facebook、Googleに共通するものは何でしょうか。GAFA?いいえ、プラットフォーマーという点です。日本では、メルカリが代表例かもしれません。

Amazonはオンライン書店事業化から始まり、多大な倉庫を抱える小売書店の在庫情報をオンライン上にアップロードすることで、マニアックな本を求める人の需要に応えてきた企業です。その積み重ねで評判が評判を呼び、倉庫の奥深くに眠っている本の行き場を求めて販売者が積極的に出品するようになりました。

ニッチな需要とニッチな供給をマッチングさせることが得意なのが、GAFAです。

音楽配信、検索サービス、オンライン小売、活動記録の閲覧、どれも個人個人それぞれが持つ欲求を満たしてくれるサービスですね。

現代はヒット作を生み出して大衆の心を掴む戦略ではなく、それぞれの価値観にあったものを手に入れることが消費者に受け入れられるようです。個々人の価値観の追求といった思想が先進国で生まれつつあるのは、こうしたテクノロジーが個人の欲求の充足を可能にしたおかげと言えるかもしれません。

ニッチな市場に着目した「ロングテール」という本は、一読の価値がありました。インターネットによる個人の価値観を重視する時代が到来していることがはっきりとわかりました。

⬆︎あらゆるニッチ市場は、規制の中でもインターネット上で存在し続けるはずです。ミャンマーのデモのように、ときに大きなチカラになります。

もし、反トラスト法違反との判決になったら…

高度なマッチング機能によって需要と供給をリンクさせ、プラットフォーム上での取引が増えることによって、プラットフォーム企業はその企業が持つ情報の価値を高めていきました。利用する人が「これはいいぞ!」と思うほどマッチする確率が高まり、さらに人を招くことができます。

つまり、たくさんの人がAmazonを利用すればするほど、アマゾンの価値も高まり、利用者は欲しいものを見つけることができ、安く手に入るようになります。出品者も高確率で売りさばくことができるようになります。オンライン取引市場の独占こそが消費者の利益につながるわけです。そこをまずは正しく理解する必要があるのかなと思います。

もしAmazonが行きすぎたビジネスを展開する(例えば、出品者に送料無料を強制させる、手数料を大幅に上げる、など)と、反トラスト法に引っかかるリスクが出てきます。

今回のFacebookを対象にした訴訟では、原告は個人向けSNSのシェア60%以上で独占状態だとの訴状でしたが、果たしてシェアを下げるような法的措置を下すことがFacebook利用者にとって利益となるのでしょうか。消費者の不利益を防ぐ目的で反トラスト法が存在するわけですから、ここは今一度考えるべきなのかなと思います。

競合企業の頑張りを邪魔しないのであれば、Facebookにも自由にビジネスをする権利はあるので、その点の線引きがどうなるかが注目かなと思っています。仮にInstagramを分社解体するような判決が下りても利用者には不都合はなさそうですがし、利用規約に則って個人情報を管理すれば他のアプリとの連携をしようがしまいが自由でしょう。良いビジネスを潰しかねないような判決だけは避けてほしいなと思います。

ただし、Facebookの収益の内訳は広告事業が95%以上を占めていますから、GAFAの中でも特に反トラスト法関連の影響が大きそうなので、注意が必要です。

参考文献
プラットフォーム革命――経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか
Amazon.co.jp: プラットフォーム革命――経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか eBook : アレックス・モザド, ニコラス・L・ジョンソン, 藤原朝子: Kindleストア
ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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